第III部 わが国の防衛のための諸施策 

4 新型インフルエンザへの対応

 政府の新型インフルエンザ対策行動計画5の改定を踏まえて、本年3月、防衛省・自衛隊は新型インフルエンザ対策を的確かつ迅速に行うため、整備すべき態勢、措置の内容その他必要な事項の方針を示すことを目的とした「防衛省新型インフルエンザ対策計画」6を策定した。
 本計画では、防衛省・自衛隊が平素から関係機関と密接に連携、協力し、国内外において新型インフルエンザが発生した場合においても、主たる任務の遂行に万全を期すとともに、自衛隊員の安全を確保した上で、関係機関からの要請に応じ、新型インフルエンザ対策に関する活動を行うことを基本方針とし、具体的な自衛隊の活動の例として、家きん7に対する防疫対策、在外邦人等の輸送、医官などによる検疫支援、救援物資などの輸送、防衛医科大学校病院および自衛隊病院における診断・治療などを挙げている。
 また、本計画を実効性のあるものとするため、具体的な活動要領などの策定のための検討を進めている。
 なお、防衛省・自衛隊は、メキシコなどで発生したインフルエンザ(A/H1N1)に関して、世界保健機構(WHO:World Health Organization)がフェーズ4(新型インフルエンザ・ウイルスのヒト−ヒト感染のコミュニティ・レベルでの継続が確認されている状態)に引き上げたこと、厚生労働省が新型インフルエンザの発生を宣言したことおよび政府に設置された新型インフルエンザ対策本部の基本的対処方針において「検疫・入国審査」の強化が打ち出されたことを踏まえ、厚生労働省からの要請に基づき、本年4月30日から6月1日まで、防衛医科大学校および自衛隊に所属する医官、看護官など、のべ約1,260名を成田、関西および中部の各空港検疫所に派遣して、検疫支援を行った。


 
5)<http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/kettei/090217keikaku.pdf>参照

 
6)<http://www.mod.go.jp/j/news/2009/03/17b-02.pdf>参照

 
7)鶏、あひる、うずらなど、家畜として飼養されている鳥


 

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