第III部 わが国の防衛のための諸施策 

3 防衛省・自衛隊が主催または参加している多国間安全保障対話


 防衛省は、各国防衛当局者との情報・意見交換を通じた信頼・協力関係の増進を図るため、わが国が主体性をもって積極的に安全保障対話を進めることが、アジア太平洋地域の安定化に重要であると考えている。このような認識の下、防衛省・自衛隊では各種セミナーを主催するなど、多国間の安全保障対話を主体的に行うとともに、諸外国やその他の機関が主催する対話にも積極的に参加している。

参照> 資料5253

 特に、アジア太平洋地域防衛当局者フォーラム(東京ディフェンス・フォーラム)は、96(平成8)年から毎年防衛省が主催しているものであり、各国の防衛政策への相互理解を深め、その透明性を高めて地域の安定化に寄与することを目的とし、各国の防衛政策や、防衛面に焦点をあてた信頼醸成措置への取組について意見交換を行っている。
 
第12回東京ディフェンス・フォーラムにおいてスピーチを行う江渡前防衛副大臣

 昨年9月の第12回目のフォーラムには、25か国およびEUのほか、国連人道問題調整部(OCHA:United Nations - Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)、ASEAN事務局および赤十字国際委員会(ICRC:International Committee of the Red Cross)の参加を得て、「平和構築に関する平素における各国及び国際的な取組」について意見交換を行った。また、本年2月には、第7回分科会を開催し、25か国およびEUのほか、OCHA、ASEAN、ICRCの参加を得て、平和構築に関する能力向上や国際協力の促進のための留意事項を内容とする「平和構築に関するベスト・プラクティス参照ペーパー」の作成について検討するとともに、「地域間協力と周辺地域への影響」について議論を行った。IISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)は、民間機関主催の国際会議であるが、アジア太平洋地域の国防大臣などが多数参加するほぼ唯一の会議であり、毎年シンガポールにて開催されている。本年5月の第7回会議においては、わが国からは石破前防衛大臣が参加し、「東アジアの安全保障の将来」というテーマの下で、同地域における重要な安全保障上の課題についてスピーチを行った。会議の際、石破前防衛大臣は、米国、カナダ、韓国、フランス、シンガポール、イギリス、オーストラリアの国防大臣と個別に会談したほか、シンガポールのリー・シェンロン首相を表敬した。
 また、昨年9月、米太平洋軍司令部との共催で、28か国および2機関から91名の参加を得て、アジア・太平洋地域後方補給セミナー(PASOLS:Pacific Area Senior Officer Logistics Seminar)を、わが国で初めて開催した。

 

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