第III部 わが国の防衛のための諸施策 

5 装備・技術面での交流


 日米両国は、日米安保条約や「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定」に基づく、相互協力の原則を踏まえ、わが国の技術基盤・生産基盤の維持に留意しつつ、米国との装備・技術面に関する協力を積極的に進める必要がある。
 わが国は、日米技術協力体制の進展と技術水準の向上などの状況を踏まえ、米国に対しては武器輸出三原則等によらず武器技術を供与することとし、83(昭和58)年、「対米武器技術供与取極(とりきめ)」1を締結した。またこれに代えて06(平成18)年6月、「対米武器・武器技術供与取極」2が日米政府間で締結された。

参照> II部2章2節
 
SM-3発射試験後に会見を行う 江渡防衛副大臣(昨年7月、ハワイ)

 これらの枠組みの下、携行地対空誘導弾(PSAM:Portable Surface to Air Missile)関連技術などをはじめとして、弾道ミサイル防衛共同技術研究に関連する武器技術など17件の武器・武器技術の対米供与を決定している。
 また、日米両国は、装備・技術問題についての意見交換の場である日米装備・技術定期協議(S&TF:Systems and Technology Forum)などで協議を行い、そこで合意された具体的なプロジェクトについて日米共同研究・開発などを行っている。92(平成4)年以降、共同プロジェクトに関する政府間取極(とりきめ)を締結してこれまで17件の共同研究(内11件は既に終了)などを行っている。日米間での装備・技術協力は、両国にとって、インターオペラビリティの向上や、研究開発コストとリスクの低減などの意義があり、日米両国は今後の協力の拡大についても検討を行っている。
(図表III-2-3-8 参照)
 
図表III-2-3-8 日米共同研究・開発プロジェクト


 
1)正式名称は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づくアメリカ合衆国に対する武器技術の供与に関する交換公文」

 
2)正式名称は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づくアメリカ合衆国に対する武器及び武器技術の供与に関する交換公文」


 

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