わが国に対する武力攻撃など、国や国民の平和と安全にとって最も重大な事態についての法制整備や自衛隊の運用体制の確立などは、自衛隊が活動する際の基盤となるものであり、武力攻撃事態等（武力攻撃事態¹および武力攻撃予測事態²をいう。以下同じ）における、実効的な対応を可能とし、わが国に対する武力攻撃の抑止にも資するものである。また、武力攻撃事態等における文民統制の貫徹の観点からも重要である。
　本節では、武力攻撃事態等が生起した場合の、わが国の対応の枠組みと、それに基づく自衛隊の運用体制について、その概要を説明する。