第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

7 09会計年度予算


 米国は眼前のテロとの闘いと将来にわたる軍事的優位の確保という要請の間で限られた資源をいかに配分するかという課題に直面している。09会計年度予算教書は、対テロ戦費を除く国防省本予算として、1)高度に訓練された部隊の維持および地上軍兵力の確保、2)昇給、ヘルスケアなど、軍要員およびその家族のための生活の質の向上、3)世界で最も先進的な兵器システムの調達および維持、4)戦闘能力の改善および科学技術への投資、5)米国内外の施設の維持、6)情報(インテリジェンス)能力の維持などに重点を置き、08会計年度成立予算の水準から7.5%増の、5,154億ドルを計上している。
 また、昨年度から国防省本予算に計上されることとなった対テロ戦費は、地球規模でのテロとの闘いのための緊急の手当として、09会計年度予算教書には700億ドルが計上されている16
(図表I-2-1-4参照)
 
図表I-2-1-4 米国の国防費の推移


 
16)09会計年度予算教書に計上されている対テロ戦費700億ドルは、「つなぎ予算(bridge fund)」とされており、その主な内訳は、イラクおよびアフガニスタンにおける戦闘作戦に451億ドル、アフガン治安部隊の拡大に37億ドル、イラク治安部隊の訓練に20億ドル、イラクおよびアフガニスタンにおける司令官の緊急対処プログラムに17億ドル、国務省への付替やその他地域における作戦に40億ドルと説明されている。


 

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