第III部 わが国の防衛のための諸施策 

(Q&A)防衛省・自衛隊のメンタルヘルス・ケアはどうしているのですか?

 防衛省・自衛隊は、隊員が強い使命感を持って、わが国防衛という崇高な任務を全うするためには、隊員のメンタルヘルス(精神的健康)を保持することが極めて重要であるとの認識の下、メンタルヘルスに関するさまざまな取組を行っています。
 00(平成12)年3月から5月にかけて実施された部隊ヒアリングの結果、隊員が利用しやすい相談体制の整備などの重要性が指摘され、同年7月、部外有識者等による「自衛隊員のメンタルヘルスに関する検討会」を設置しました。ここ数回にわたる会合を経て、同年10月に「自衛隊員のためのメンタルヘルスに関する提言」が取りまとめられ、「直ちに実現し得る施策の提言」として、メンタルヘルス活動の統制システムの形成、啓発教育の徹底、カウンセリング体制の強化などが示され、防衛省・自衛隊としては、同提言に沿って、メンタルヘルスに関する各種施策を推進してきました。
 
階級を意識しないよう私服でメンタルヘルス教育を受講する海自隊員の様子

 また、03(同15)年7月、長官政務官(当時)を長とする「防衛庁自殺事故防止対策本部」(当時)を設置し、メンタルヘルスに関する啓発教育の強化やカウンセリング態勢の充実など、メンタルヘルスにかかわる施策を推進しています。
 たとえば、カウンセリング態勢については、
   ○ 部内相談員1の配置(各駐屯地など)
   ○ 部外カウンセラーの招聘(しょうへい)
   ○ 部外電話相談窓口の開設(24時間体制)
などの整備・拡充に努めています。


 
1)部内相談員
陸自:○ 中隊などに1名、駐屯地に2名配置(各種カウンセリング教育を終了した隊員)
   ○ 各方面総監部に心理幹部(3佐)を配置
海自:○ 部隊、艦艇ごとに相談員を配置(各種カウンセリング教育を終了した隊員)
   ○ 各総監部の人事相談室における相談の受付
空自:○ 准曹士先任による相談の受付(各種カウンセリング教育を終了した隊員)
   ○ 岐阜病院精神保健部において「精神保健担当官等講習」を実施し、カウンセラーの要員養成に努めており、修了者のうち2名が基地において部隊カウンセラーなどとして相談を受け付けている。


 

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