第III部 わが国の防衛のための諸施策 

3 防衛省・自衛隊が主催または参加している多国間安全保障対話

 防衛省は、各国防衛当局者との情報・意見交換を通じた信頼・協力関係の増進を図るため、わが国が主体性をもって積極的に安全保障対話を進めることが、アジア太平洋地域の安定化に重要であると考えている。このような認識の下、防衛省・自衛隊では各種セミナーを主催するなど、多国間の安全保障対話を主体的に行うとともに、諸外国やその他の機関が主催する対話にも積極的に参加している。
(図表III-3-2-5・6参照)
 
図表III-3-2-5 防衛省主催による多国間安全保障対話
 
図表III-3-2-6 その他の国家間安全保障対話など

 特に、アジア太平洋地域防衛当局者フォーラム(東京ディフェンス・フォーラム)は、96(同8)年から毎年防衛省が主催しているものであり、各国の防衛政策への相互理解を深め、その透明性を高めて地域の安定化に寄与することを目的とし、各国の防衛政策や、防衛面に焦点をあてた信頼醸成措置への取組について意見交換を行っている。
 昨年10月の第11回のフォーラムには、23か国およびEUのほか、国連人道問題調整部(OCHA)およびASEAN事務局の参加を得て、「災害救援における国際協力及び軍民調整のための枠組みや手続きを整備するための取組」について意見交換を行った。
 IISS:International Institute for Strategic Studies(国際戦略研究所)アジア安全保障会議は、民間機関主催の国際会議であるが、アジア太平洋地域の国防大臣などが多数参加するほぼ唯一の会議であり、毎年シンガポールにて開催されている。本年6月の会議においては、わが国からは久間防衛大臣が参加し、「核の挑戦」というテーマの下で、わが国の核に関する基本的立場や北朝鮮の核開発問題等が国際社会全体の問題であることを述べた上で、大量破壊兵器の拡散防止について、防衛省としての取組を紹介しつつ、国際社会の協力を呼びかける旨のスピーチを行った3
 また、会議の際、久間防衛大臣は、韓国、シンガポール、インド、ニュージーランド、フィリピンの国防大臣などの要人と個別に意見交換、初の日米豪防衛相会談も行った。

 
第11回東京ディフェンスフォーラムにおいてスピーチを行う大前防衛大臣政務官


 
3)<http://www.mod.go.jp/j/news/youjin/2007/06/02a_01.html>参照

 

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