第6章 国民と防衛庁・自衛隊 

2 医療面での活動


 防衛医科大学校(埼玉県所沢市)では、医学の教育・研究に役立てるための病院が設置されている。ここでは、広く一般の市民の診療も行うほか、第3次救急医療施設である救命救急センター1が運営されており、地域医療にも役立っている。また、自衛隊は、全国16か所に自衛隊病院を設置し、その一部では広く一般市民の診療も行い、地域医療に貢献している2。さらに、自衛隊の主要部隊では、衛生部隊を保有しており、地方公共団体などからの要請があれば、これらを活用し、災害発生時の救急医療、防疫(ぼうえき)などにも努めている。
 調査研究の分野では、陸自開発実験団部隊医学実験隊(東京都世田谷区)、海自潜水医学実験隊(神奈川県横須賀市)、空自航空医学実験隊(東京都立川市)が、それぞれ野外衛生、潜水医学、航空医学などの研究を行っている。また、防衛医科大学校防衛医学研究センター(埼玉県所沢市)では、救命・救急医学に関する研究などを行っている。これらの部隊などは大学や研究機関などの要請に応じ、講師を派遣するなどして、長年つちかった知識・技術を社会に提供している。

 
防衛医大の授業風景

 
1)重傷や重体、危篤疾病者の医療を行うための施設

 
2)なお、自衛隊病院での診療のほか、本年5月から、沖縄県立北部病院に防衛医科大学校の産婦人科医を派遣している。

 

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