第6章 国民と防衛庁・自衛隊 

1 「調査委員会」における事案の調査について1


 本年1月31日、本事案の事実関係の徹底究明を図るため、「調査委員会」を設置した。「調査委員会」では、19回にわたり委員会を開催するなどし、事案の徹底的な事実関係の究明を行うとともに、事案の背景や原因を把握し、適宜、「検討会」に対し報告を行ってきた。本年6月15日、「調査委員会」は「防衛施設庁入札談合等に係る事案の調査について」をとりまとめ公表するとともに、翌16日、「検討会」に対して報告し、本検討会における再発防止策の策定の資とした。
 防衛施設庁におけるいわゆる官製談合行為は、技術審議官を頂点とする建設部の一部幹部職員が企業在職のOBとの密接な結び付きの下、主導的に実行してきており、かなり以前から、一部職員により代々申し継ぎのようにして行われてきた悪質かつ組織的な行為である。これらに関与した職員には、法令遵守の意識や自浄能力はなかったと断ぜざるを得ない。
 今般の事案の直接の原因は、防衛施設庁OBなどの再就職先の確保と再就職したOBへの配慮にあり、これは長年にわたる建設部の閉鎖的な人事管理などによりもたらされたものである。また、同時にこれらに対する問題意識を持つことなく人事交流などに積極的に取り組まなかった防衛施設庁全体の問題でもある。
 また加えて、98(平成10)年の旧調達実施本部における防衛調達に係る背任事件およびこれを契機にまとめられた「調達改革の具体的措置」などについて、防衛施設庁の問題と受け止めず、入札契約制度の審査・監視機能の不備などに対して具体的な措置をとらなかったことも問題であった。
 今般の事案によって、防衛施設行政に対する信頼を著しく失墜し、防衛施設庁のみならず防衛庁、自衛隊に対する信頼をも傷つけた責任を強く認識し、二度とこのような事件を起こすことがないよう、職員一人一人の意識改革に努め、「検討会」においてとりまとめられた再発防止に係る措置を確実に実施し、防衛施設庁を解体する中で新しい出発を行うこととする。
 なお、今般の事案に関しては、公正取引委員会による調査も行われていることから、防衛施設庁として全面的協力に努めているところである。
 
防衛施設庁入札談合等再発防止に係る抜本的対策に関する検討会


 
1)<http://www.dfaa.go.jp/topics/nyusatsu_bogai/pdf/tyousa_houkoku.pdf>に調査結果の詳細を掲載


 

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