第1章 わが国を取り巻く安全保障環境 

(解説)北朝鮮による弾道ミサイルの発射について

 防衛庁・自衛隊として、諸情報を総合的に勘案した結果、北朝鮮は、本年7月5日早朝に6発、夕方に1発の弾道ミサイルを、日本海に向かって、発射したものと考えられます。わが国としては、北朝鮮による今回の弾道ミサイルの発射は極めて憂慮すべきものであると考えており、北朝鮮が、わが国を含む関係各国による事前の警告にもかかわらず発射を強行したことは、わが国の安全保障や国際社会の平和と安定、さらには大量破壊兵器の不拡散という観点から重大な問題であり、船舶・航空機の航行の安全に関する国際法上も問題があると考えています。
 防衛庁としては、発射された弾道ミサイル7発のうち、午前5時頃発射された3発目は同国東部沿岸地域のテポドン地区から、その他は同国南東部の沿岸地域のキテリョンから、それぞれ発射されたと考えています。また3発目はテポドン2号であるとみられ、そのほかのミサイルは、スカッドまたはノドンであるとみられます。
 これを受けて、安全保障会議が開かれるなど、政府全体としての対応が図られるとともに、防衛庁としても、午前4時に、防衛庁長官を本部長とする「北朝鮮による弾道ミサイル発射事案に関する対策本部」を設置するなど、情報収集および対応に万全を期すこととしました。

 

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