第6章 国民と防衛庁・自衛隊 

2 就職援護への協力


 自衛隊は、精強さを保つため、若年(じゃくねん)定年制および任期制という制度を採用している。このため多くの自衛官が50歳代半ばおよび20歳代での退職を余儀なくされている。こうしたことから防衛庁は、一般の公務員と比べ若い年齢で退職する自衛官が再就職しやすいように、各種教育訓練を行うなどの就職援護施策を行っている。
 一方、防衛庁には独自に職業紹介を行う権限がないため、財団法人自衛隊援護協会が、厚生労働大臣と国土交通大臣の許可を得て、退職自衛官に対する無料職業紹介事業などを行っている。また、就職援護に際しては、地域の援護協力組織などの協力も得ている。
 再就職した退職自衛官は、製造業やサービス業など幅広い分野で活躍しており、近年では、地方公共団体において、防災などの危機管理の分野でも採用されている。
参照> 3章2節図表3-2-19

 退職自衛官は、全般的に責任感、勤勉さ、体力・気力、規律などの面で優れていること、特に、定年退職自衛官は長年の勤務でつちかわれた高い指導力を有することなどから、雇用者に高く評価されている。
 今後も厳しい雇用情勢が続くことが予想される中、自衛官の将来への不安を解消し、在職中に安んじて職務に精励できるよう一層安定した雇用を確保するためには、地方公共団体などの協力を得ることが必要である。

 

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