第4章 日米安全保障体制の強化 

5 装備・技術面での交流


 日米両国は、日米安保条約において、それぞれの防衛能力の維持、発展のために相互に協力するとしている。また、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定」は、装備、資材、役務その他の援助を日米相互に供与することを規定するなど両国間の相互協力の枠組みを定めている。わが国としても、こうした相互協力の原則を踏まえ、わが国の技術基盤・生産基盤の維持に留意しつつ、米国との装備・技術面に関する協力を積極的に進める必要がある。
 わが国は、日米技術協力体制の進展と技術水準の向上などの状況を踏まえ、83(昭和58)年、対米武器技術供与取極(とりきめ)1を締結し、米国に対しては、武器輸出三原則等によらず武器技術を供与することとした。以来、携行地対空誘導弾(SAM:Surface to Air Missile)関連技術などをはじめとして、弾道ミサイル防衛共同技術研究に関連する武器技術など14件の武器技術の対米供与を決定している。
 また、日米両国は、装備・技術問題についての意見交換の場である日米装備・技術定期協議(S&TF:Systems and Technology Forum)などで協議を行い、そこで合意された具体的なプロジェクトについて日米共同研究・改修を行っている。92(平成4)年以降、これまで14件の共同プロジェクトに関する政府間取極(とりきめ)を締結して共同研究などを行っており、内8件は既にプロジェクトを終了している。日米間での装備・技術協力は、両国にとって、インターオペラビリティの向上や、研究開発コストとリスクの低減などの意義があり、日米両国は今後の協力の拡大についても検討を行っている。
(図表4-3-9参照)
 
図表4-3-9 日米共同研究プロジェクト


 
1)正式名称は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づくアメリカ合衆国に対する武器技術の供与に関する交換公文」


 

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