3 国民保護措置を円滑に行うための防衛庁・自衛隊の取組
1 国民保護訓練への参加
有事法制の成立により、わが国に対する武力攻撃など国や国民の平和と安全にとって最も重大な事態への対処について、武力攻撃を排除し終結させるために必要な措置に加え、住民の避難措置などの国民保護措置の実施についての法的基盤が整った。また国民保護法などに基づく国民保護計画の策定により、国民保護措置の実施にあたっての防衛庁・自衛隊の対応についてもより明確になった。今後は、武力攻撃事態などにおいて、国民保護措置を的確かつ迅速に実施するため、国民保護措置の実施に係わる連携要領について、各省庁や地方公共団体などと共同で調整を実施することが重要である。
このような観点から、防衛庁・自衛隊は、昨年10月28日、内閣官房、埼玉県、富山県、鳥取県、佐賀県が主催した平成17年度緊急対処事態図上訓練
1に、各省庁などとともに参加した。
また同年11月27日には、内閣官房や福井県などが主催し、関係各省庁、近隣の地方公共団体、関係指定公共機関などが参加した平成17年度国民保護実動訓練
2に、防衛庁・自衛隊も参加した。同訓練は、関西電力(株)美浜原子力発電所が、テログループによる攻撃を受け、同施設の一部が損傷を受けたことにより放射性物質が放出されるおそれが発生したとの想定の下、行われた。特に現地対策本部の設置や各種会議の開催、住民の避難の誘導、避難住民に対する救援、警戒区域の設定や警備の強化などの要領について訓練が行われ、防衛庁・自衛隊も車両や航空機を活用しつつ、モニタリングの支援や、避難住民の誘導などについて訓練を行った。
防衛庁・自衛隊としては、今後とも、地方公共団体そのほかの関係機関が実施する国民保護関連の訓練に対して、積極的に参加し協力していくことなどを通じて、国民保護にかかる地方公共団体などとの連携の強化に努めていきたいと考えている。