第3章 新たな脅威や多様な事態への実効的な対応と本格的な侵略事態への備え 

5 大規模・特殊災害などへの対応


 自衛隊は、災害発生時に、被災者や遭難した船舶・航空機の捜索・救助、水防、医療、防疫(ぼうえき)、給水、人員や物資の輸送など、様々な災害派遣活動を行っている。特に95(平成7)年の阪神・淡路大震災1での災害派遣以降、自衛隊の活動に対する国民の期待はますます大きくなっている。その後も自然災害だけでなく、99(同11)年の茨城県東海村での臨界事故2や01(同13)年の愛媛県立宇和島水産高等学校実習船「えひめ丸」沈没事故など多様な事態に際して、自衛隊が大きな役割を果たしている。

 
石狩湾で座礁した韓国船より乗員を救助(空自救難隊)


 
1)兵庫県南部を震源とするM7.3の「95(平成7)年兵庫県南部地震」により、阪神地方で死者・行方不明者6,400名を上回る壊滅的被害が発生した。

 
2)東海村のJCOウラン加工施設で起きた臨界(核分裂で中性子が放出され、核分裂反応が連続的に続いていく状態)事故
この事故で、2名の作業員が被ばく死した。


 

前の項目に戻る     次の項目に進む