脅威が多様化する中、軍事力も役割が変化・多様化している。
わが国の平和と安全を守るために、国際的な安全保障の安定化のために、日夜、積極的に取り組み続ける。
国民からの理解と協力を得ながら、防衛庁・自衛隊の進むべき方向を見定めながら-。
第1章 わが国を取り巻く安全保障環境
新たな脅威に対する国際社会の取組
今日の安全保障環境は、国際テロや大量破壊兵器などの拡散など、予測困難でグローバルな脅威にさらされている。一国のみで対処できないこうした脅威に対して、各国は協力して対応してきている。また、地域の秩序を脅かす独裁政権や国際テロ組織に蝕まれた国家が崩壊した場合などには、そうした国家への支援も積極的に行われている。
アジア太平洋地域における不安定な要素と協力への動き
アジア太平洋地域は、民族、宗教など多様性に富み、各国の安全保障観も様々であり、依然として、領土問題や統一問題といった従来からの問題が残されている。さらに、最近では東南アジア地域におけるテロや海賊行為などの問題が地域の安全保障に深刻な影響を及ぼすようになっている。
こうした中、米軍のプレゼンスが地域の安定に寄与しているほか、域内の二国間交流や多国間対話が定着しつつある。地域の安定のために各国の協調を図っていくことが今後の課題である。