資料編 

資料30 武器輸出三原則など


○「武器」の輸出は、外国為替及び外国貿易管理法(昭和24年法律第228号)(注)及び輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)により経済産業大臣の許可が必要。
(注) 現在は、外国為替及び外国貿易法。

1 武器輸出三原則
 佐藤内閣総理大臣、昭42.4.21、衆・決算委
(要旨)
 外国為替及び外国貿易管理法及び輸出貿易管理令についての政府の運用方針として、具体的には、次の場合は、武器輸出は認められないこととされている旨を明らかにしたもの。
1) 共産国向けの場合
2) 国連決議により武器等の輪出を禁止されている国向けの場合
3) 国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合

2 武器輸出に関する政府統一見解
 三木内閣総理大臣、昭51.2.27、衆・予算委
(全文)
(1) 政府の方針
 「武器」の輸出については、平和国家としての我が国の立場からそれによって国際紛争等を助長することを回避するため、政府としては、従来から慎重に対処しており、今後とも、次の方針により処理するものとし、その輸出を促進することはしない。
1) 三原則対象地域については、「武器」の輸出を認めない。
2) 三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする。
3) 武器製造関連設備(輸出貿易管理令別表第一の第109の項など)の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。
(2) 武器の定義
 「武器」という用語は、種々の法令又は運用の上において用いられており、その定義については、それぞれの法令等の趣旨によって解釈すべきものであるが、
1) 武器輸出三原則における「武器」とは、「軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるもの」をいい、具体的には、輸出貿易管理令別表第一の第197の項から第205の項までに掲げるもののうちこの定義に相当するものが「武器」である。
2) 自衛隊法上の「武器」については、「火器、火薬類、刀剣類その他直接人を殺傷し、又は、武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置等」であると解している。なお、本来的に、火器等を搭載し、そのもの自体が直接人の殺傷又は武力闘争の手段として物の破壊を目的として行動する護衛艦、戦闘機、戦車のようなものは、右の「武器」に当たると考える。
(注) 平成3年11月の輸出貿易管理令の一部改正により、(1) 3)の「第109の項」及び(2) 1)の「第197の項から第205の項」は、「第1項」に変わっている。

3 武器輸出問題等に関する決議
 昭56.3.20衆・本会議、昭56.3.31参・本会議
(全文)
 我が国は、日本国憲法の理念である平和国家としての立場をふまえ、武器輸出三原則並びに昭和51年政府統一方針に基づいて、武器輸出について慎重に対処してきたところである。
 しかるに、近時右方針に反した事例を生じたことは遺憾である。よって政府は、武器輸出について、厳正かつ慎重な態度をもって対処すると共に制度上の改善を含め実効ある措置を講ずるべきである。
 右決議する。

 

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