第6章 今後の防衛庁・自衛隊のあり方 

2 わが国の取組

 弾道ミサイル攻撃の危険性への現時点での対応については、日米防衛協力のための指針にもとづき、「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し、調整する。米軍は、日本に対し、必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。」こととされている。しかし、大量破壊兵器や弾道ミサイルが拡散している状況の中で、わが国が弾道ミサイル対処を想定した有効な防衛システムを保有していないという現状を踏まえると、弾道ミサイル防衛(BMD:Ballistic Missile Defense)はわが国の防衛政策上の重要かつ喫緊の課題である。このような認識の下、わが国は1995(平成7)年度からわが国の防空システムのあり方の検討に着手し、BMDシステムの技術的実現可能性や費用と効果の検討などを実施している。また、安全保障会議と閣議の了承を経て、99(同11)年8月から海上配備型上層システム(現在の海上配備型ミッドコース防衛システム(SMD))の一部を対象に米国と日米共同技術研究を開始した。現在、このシステムで用いられるミサイルの4つの主要構成品の設計と試作を実施している1)。なお、この共同技術研究は、米国が2004(同16)年−2005(同17)年に初期配備を決定したシステムではなく、米国の全体計画の中では、SMD計画の中でさらに将来的なシステムを対象にしている。



 
1)2章5節4参照。


 

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