第4章 より安定した安全保障環境の構築への貢献 

第3節 「PKO10年」の歩み

 1992(平成4)年6月、「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」(国際平和協力法)が制定され、同年9月、同法に基づき、自衛隊としてはじめての国連平和維持活動への参加となるカンボジアに施設部隊を派遣した。
 カンボジアへの派遣以来、約10年が経過したが、その間、自衛隊はそれぞれの活動で、厳しい環境の下、試行錯誤を繰り返しつつ与えられた任務を遂行し、わが国の国際平和協力に寄与してきた。また、その活動を通じて内外からの様々な評価を受ける中で、これまでにない経験を積み重ね、組織・個人の能力を向上させた。防衛大綱では、より安定した安全保障環境の構築へ貢献するため、国際平和業務や国際緊急援助活動は、防衛力の果たすべき主要な役割として位置づけられた。しかしながら、わが国の国際平和協力のあり方には、依然検討すべき課題が残っている。
 本節では、防衛庁・自衛隊の国際平和協力業務のこれまでの約10年間を振り返り、その軌跡、変化、今後の課題について説明する。

 

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