日米安全保障共同宣言の概要
(1)基本的な考え方
この共同宣言では、アジア太平洋地域に依然として不安定性及び不確実性が存在するとの情勢認識に立っている。そして、日米安保条約を基盤とする両国間の安全保障面の関係が、この地域の安定的で繁栄した情勢を維持するための基礎であり続けることを再確認した上で、次の事項について改めて確認している。
1) 日本の防衛のための最も効果的な枠組は、自衛隊の適切な防衛能力と日米安保体制の組み合わせに基づいた日米両国間の緊密な防衛協力である。日米安保条約に基づく米国の抑止力は引き続き日本の安全保障のよりどころである。
2) 現在の安全保障情勢の下で米国のコミットメントを守るためには、日本におけるほぼ現在の水準を含め、この地域において、約10万人の前方展開軍事要員からなる現在の兵力構成を維持する必要がある。
3) 日本が日米安保条約に基づく施設・区域の提供と接受国支援
1などを通じ適切な寄与を継続する。
(2)日米間の具体的協力分野
この共同宣言では、日米同盟関係の信頼性を高める上で重要な柱となる次のような具体的な分野での協力を進めていくこととしている。
1) 国際情勢に関する情報・意見交換の強化とこれを踏まえた防衛政策・軍事態勢についての協議
2) 「日米防衛協力のための指針」
2の見直し及び日本の周辺地域で発生しうる事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合における協力の研究などの日米間の政策調整の促進
3) 日米物品役務相互提供協定
3による協力関係の促進
4) 装備・技術分野の相互交流の充実
5) 大量破壊兵器とその運搬手段の拡散防止、現在進行中の弾道ミサイル防衛に関する研究における協力