(コラム注5)

飽和潜水はヘリウムと酸素の混合ガスをタンクに満たして加圧、潜水員の体をあらかじめ潜水する深度の圧力(潜水深度が10m深くなるごとに1cmあたりにかかる圧力が1kgづつ増える。)になじませ、より深く、より長く、より安全に潜水することができる潜水方法です。この飽和潜水を行うために、「ちはや」はDDSの一部として、潜水員を加圧・減圧するためのタンクであるDDCと潜水員を大気圧にさらすことなく目的の深度に降下させる水中昇降室(PTC:Personal Transfer Capsule)を装備しています。飽和潜水を行う場合は、潜水する深度によって差はあるものの、潜水する深度の圧力への昇圧、潜水終了後の減圧は、合わせて3週間にも及ぶこともあります。この間、潜水員は、他の乗員が圧力、酸素分圧、温度、湿度などを管理するDDC内で生活することになります。さらに、このDDCは潜水病に対する治療のために使用することも可能です。