対人地雷問題への国際社会とわが国の対応
対人地雷は、紛争地域を中心として68か国に1億1,000万個以上が埋設されているといわれる。紛争中のみならず紛争終結後も一般市民への被害が多発し、人道上の問題となるとともに、紛争終結後の復興にとって大きな障害となっている。
このため、国際社会においては、このような対人地雷の問題を緊急に解決すべきであるとの認識が高まる中、オタワプロセスの場など(注5−40)での一連の交渉を経て、99(同11)年、対人地雷禁止条約が発効した。条約の発効までに133か国が署名し、本年5月末現在、116か国が締結している一方、アジア太平洋地域では39か国のうち15か国しか批准していない。(1章2節2参照)
わが国は、98(同10)年、「対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律」を成立させるとともに、国会の承認を得てこの条約を締結した。防衛庁は、条約交渉に関して随時所要の情報を外務省に提供するなどの協力を行った。
また、この条約の発効に伴い、わが国の防衛に万全を期するため、防衛庁としては、条約上の対人地雷に該当せず、一般市民に危害を与えるおそれのない代替手段の導入などを行うこととした。代替手段の装備化までの間は、指向性散弾(しこうせいさんだん)(注5−41)を使用するなどして対応する。
また、自衛隊が保有している対人地雷の廃棄は、安全性などを考慮し、国内事業者に委託しており、昨年1月から処分を実施している。条約で認められた地雷の探知、除去の技術開発及び訓練用の必要最小限の例外保有分を除き、すべての対人地雷を条約で定められた発効後4年(わが国については、2003(同15)年の2月末)までに廃棄することとしている。
なお、対人地雷禁止条約については、人道上の観点などから、わが国周辺地域のみならず、世界の国々が批准に向かうよう、外交当局を通じて働きかけを行っている(注5−42)。