装備の充実と将来への対応
(1) 軍事科学技術の進展への対応
情報通信技術をはじめとする科学技術の著しい進展に対応した研究開発を行う。この際、民間技術や民生品の活用、一部共用化などによる経費の抑制に努める。
平成13年度に新たに開発に着手する代表的なものは、次のとおりである。
周辺海域の警戒監視・哨戒や遭難船舶の捜索などの多様な任務に適する固定翼哨戒機(P−3Cの後継機)
戦術空輸や国際協力任務などに適する輸送機(C−1の後継機)
(P−3Cの後継機とC−1の後継機については、機体構造などの一部の共用化を図る。)
射撃効率や残存性を向上させた88式地対艦誘導弾システム(改)
野外における連隊の指揮命令などに必要なデータを迅速・効率的に伝達するための基幹連隊指揮統制システム
(2) 装備の更新・近代化
陸上防衛力
普通科部隊の機動力の向上などのために軽装甲機動車
(注3−34)
を、普通科部隊のコンパクト化と対装甲火力の充実を図るために軽対戦車誘導弾を新たに整備する。また、99式自走155mmりゅう弾砲、多連装ロケットシステム
MLRS
(Multiple-Launch Rocket System)、90式戦車、観測ヘリコプター(OH−1)を整備する。さらに、諸外国の技術的すう勢に対応するための改良ホークの改善を行う。
(写真)90式戦車
(写真)軽装甲機動車
海上防衛力
周辺海域の防衛能力及び海上交通の安全確保能力の維持・向上のため、引き続き護衛艦(DD)、潜水艦(SS)、掃海艇(MSC)、ミサイル艇(PG)、補給艦(AOE)、輸送支援にも対応可能な多用途支援艦(AMS)を整備する。また、哨戒ヘリコプター(SH−60J)を整備する。
(写真)浮上航行中の潜水艦
(写真)現有のミサイル艇
航空防衛力
支援戦闘機(F−2)を整備するほか、空中輸送能力の維持を図るために輸送ヘリコプター(CH−47J)を、航空救難態勢の維持を図るために救難捜索機(U−125A)及び救難ヘリコプター(UH−60J)を整備する。また、新初等練習機
(注3−35)
を整備する。さらに、空中警戒監視能力の向上などを図るための早期警戒機(E−2C)の改善、小型高速目標に対する探知能力・対処能力の向上などを図るための地対空誘導弾(ペトリオット)の改善を推進する。
(写真)輸送ヘリコプター(CH−47J)
(写真)救難捜索機(U−125A)
(コラム「F-2部隊新設」参照)