F−2部隊新設
「空気の中を滑るような感覚」。パイロットが抱いているF−2の感想です。
支援戦闘機F−2は1988(昭和63)年に開発が始まり、技術実用試験を経て、昨年9月に使用承認を受け、10月から航空自衛隊へのF−2量産機の納入が始まり、部隊配備が開始されました。そして、本年3月、三沢基地(青森県三沢(みさわ)市)の第3飛行隊は、F−1から航空自衛隊初のF−2部隊へと生まれ変わりました。
(コラム写真参照)
その部隊建設を担ったパイロットは、技術実用試験において開発に携わったテストパイロットと、米国においてF−16機種転換課程を卒業した戦闘機パイロットを中心に構成されています。また、機体を支える整備員は、技術実用試験期間中からの岐阜基地での整備実習に始まり、企業において量産機に対する研修などを十分に積んだ熟練者であり、パイロットからの信頼も高いものを得ております。
F−2はF−16をベースに再設計され、わが国の得意とする電子関連装備としては、世界で戦闘機初のアクティブフェーズドアレイレーダーや液晶ディスプレイを搭載しています。また、主翼にはわが国の技術による複合材の一体成形翼を用い、エンジンは米国においてもパイロットから高い信頼を得ているものを装備しています。形状にも特徴があり、空気抵抗を抑え、まさに軽やかに、かつ、力強く空気を切って飛行します。
F−2の特徴は、コンピュータ制御による操縦システム、統合化されたレーダーや電子戦器材などが挙げられます。操縦システムは、3重系統のディジタルフライバイワイヤーシステムと、1系統のアナログバックアップシステムによって構成されており、ディジタル系統は2系統が故障しても残りの1系統で飛行可能であり、さらに、ディジタル系統がすべて故障してもアナログ系統で飛行できるシステムとなっています。また、飛行などにかかわる大量の情報はビジュアル画面に表示され、パイロットにわかりやすく伝わるよう色々な工夫がされています。座席は全体が後方に約30度傾いていることから、従来の座席姿勢に比べて機動時にかかるG(重力加速度)に耐えやすくなっています。このため、より激しい機動を行っているときもパイロットは余裕を持って判断できるようになっています。
現在、部隊は、機体を安全に、かつ、その性能を100%引き出して運用するために、部隊運用にかかわるすべての基礎的データを集める運用試験を行うとともに、新しいパイロットと整備員に対して安全を重視して教育を行っています。このように、安全を確保しつつ精強な飛行部隊を目指して、今F−2部隊は羽ばたきました。
(コラム写真参照)