第12師団の旅団への改編
第12旅団は、防衛大綱に基づいて、わが国の防衛、大規模災害など多様な事態に軽快かつ機敏に対応するため、本年3月末に第12師団から改編された部隊です。
第12旅団は、陸上自衛隊の基幹部隊として、各種の状況において、地上部隊では即応できない緊要な時期・場所に空中機動などにより迅速に進出して、地上戦闘に連携し、又は独立的に行動して、敵部隊の撃破あるいは地域の確保などの作戦を行います。
群馬県北群馬郡榛東(しんとう)村に司令部のある第12旅団は、旅団司令部と、4個普通科連隊、1個特科隊、1個ヘリコプター隊、1個後方支援隊など13個の部隊からなり、即応予備自衛官約500名を含め、全体で約4,000名の隊員で構成されています。
(コラム写真参照)
主要な装備として、小銃、機関銃、無反動砲、対戦車誘導弾発射装置、りゅう弾砲や迫撃砲のほか、陸上自衛隊の師団・旅団の中では、唯一、3種類のヘリコプター(OH−6、UH−60、CH−47)を保有しています。
わが国に対する武力攻撃などに際しては、第12旅団自ら保有するヘリコプターのほか、第1ヘリコプター団(千葉県木更津(きさらづ)市)の保有する輸送ヘリコプター(CH−47)の協力・支援を得て、空中機動作戦を行います。
また、日本のほぼ中央に位置し、栃木、群馬、新潟、長野の4県の防衛・警備、災害派遣を主に担任していますが、災害発生時には、その空中機動力をいかして、被災地への速やかな部隊の派遣、傷病者の緊急輸送、山林火災時の空中消火などに対応します。
第12旅団は、創設されたばかりの部隊ですが、隊員は第12師団当時の「質実剛健」の気風を継承するとともに、陸上自衛隊で唯一「空中機動性を高めた旅団」として自衛隊に対する国民の期待に応えるため、いかなる任務にも即応できるよう日夜訓練に励んでいます。
(コラム写真参照)