(注1)

欧州においては、米国を中心とする北大西洋条約機構(NATO)とソ連を中心とするワルシャワ条約機構(WPO)が厳しい軍事的対峙を続け、両陣営間で武力紛争が生起した場合には最終的に米ソ間の核戦争に発展する可能性があることから、核兵器の使用はもとより、主要国間の通常戦争は抑止されていた。また、民族、宗教に起因する紛争は東西冷戦の下で押え込まれてきた。一方、アジアなどそれ以外の地域の多くにおいては、各地に固有の領土、民族、宗教などの問題に起因する武力紛争が生起し、一部においては東西対立とも絡み、大国が様々な関与を行い複雑な様相を呈した。