(3) 対人地雷に対する国際社会の取組と日本の対応

ア 国際社会の取組

 対人地雷は紛争地域を中心として68か国に1億1,000万個以上が埋設されているといわれ、紛争中のみならず紛争終結後も一般市民への被害が多発し、人道上の問題となるとともに、紛争終結後の復興にとって大きな障害となっている。このため、国際社会においては、このような対人地雷の問題を緊急に解決すべきであるとの認識が高まってきた。
 このような中、96年(平成8年)10月オタワで対人地雷に関する国際会議がカナダ政府の主催により開催され、対人地雷の禁止について国際的な合意を可能な限り早期に成立させることを求めるオタワ宣言が採択された。その後、いわゆるオタワ・プロセスの名の下に、一連の国際的な会合(一昨年2月のウィーン会議、同年6月のブラッセル会議など)において議論が行われ、一昨年12月には、オタワにおいて同プロセスで作成された対人地雷禁止条約の署名式が行われた。本年5月末現在、133か国が署名し、81か国が締結している。

イ 政府の対応

(ア) 対人地雷禁止条約締結までの経緯
 日本は、一昨年6月にはCCWの改正された第二議定書を締結し、人道的な配慮とともに日本の安全保障を確保するとの観点を考慮した上で、同年12月にオタワ・プロセスを通じて作成された対人地雷禁止条約に小渕外務大臣(当時)が出席して署名した。
(写真)対人地雷禁止条約に署名する小渕外務大臣(当時)(平成9年12月)

対人地雷禁止条約に署名する小渕外務大臣(当時)(平成9年12月)


 その後、昨年9月30日には、国内担保法の「対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律」を成立させるとともに、国会の承認を得て、この条約の受諾について閣議決定を行い、本条約を締結した。なお、本条約は、日本について本年3月1日から発効している。

(イ) 防衛庁の対応
 防衛庁としては、対人地雷禁止条約の交渉の場に、職員を派遣しているほか、随時所要の情報を外務省に提供するなどして積極的に協力してきたところである。
 対人地雷禁止条約の発効に伴い、対人地雷の使用などが禁止されることから、防衛庁としては、我が国の防衛に万全を期するため、条約上の対人地雷に該当せず、一般市民に危害を与えるおそれのない代替手段の導入を含む必要な措置を早急に講じることとしている。
 具体的には、センサー、爆薬などを組み合わせ、監視・遠隔操作により要員が関与して作動させる装備である対人障害システムの研究を一昨年度より鋭意行っているところであり、代替手段としての同システムの早急な装備化に努めるとともに、それまでの間は、対人地雷の機能を補う装備品として指向性散弾(注3-21)の使用などにより対応することとしている。
 また、自衛隊が約100万個保有する対人地雷の廃棄方法については、安全性などの観点を考慮し、国内事業者に処分を委託することとしており、条約で認められた地雷の探知、除去の技術開発及び訓練を目的とした必要最小限の例外保有分を除き、条約で定められた発効後4年以内に確実に廃棄することとしている。