防衛庁・自衛隊

第2章 より安定した安全保障環境の構築への我が国の貢献

第1節 我が国の考え方
 
 アジア太平洋地域においては、安定的な安全保障環境が構築されるには至っておらず、米国を中心とする二国間同盟・友好関係と米軍の存在が、地域の平和と安定に重要な役割を果している。
 このような情勢の中で、我が国は、日本国憲法の下、外交努力の推進及び内政の安定による安全保障基盤の破立を図りつつ、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないという基本理念に従い、日米安保体制を堅持し、文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ、節度ある防衛上を自主的に整備していくことが重要であると考えている。
 そこで、我が国は、その平和と安全を確保するために、適切な防衛力の整備や日米安保体制の信頼性向上に努める一方、これらの努力を補完するものとして、欧州とは異なるアジア太平洋地域の状況を踏まえつつ、日米間の緊密な協力関係を基盤に、より安定した安全保障環境の構築に向けて,さまざまな貢献を行っている。

防衛白書1997