防衛庁・自衛隊

第1章 国際軍事情勢

第3節 国際社会の安定化のための努力
 
1 国際連合などの対応

 冷戦の終結後、地域紛争が発生する危険性が増大している状況の中で、国連が国際の平和と安全を維持する役割を発揮することが期待されている。しかしながら、国連の平和維持活動については、能力的な限界が認識されつつあり、また、財政問題など検討すべき課題が多くあることも同時に明らかとなってきている。
 また、核兵器、生物・化学兵器、大量破壊兵器、ミサイル、通常兵器に関し、国際社会における移転・拡散を防止するための様々な努力がなされている。
 
2 米露及び欧州における各国の対応
 
 米露及び欧州については、米露間の核軍備管理・軍縮やCFE条約を中心とした欧州における軍備管理・軍縮が進展するとともに、軍事交流・信頼醸成の進展、さらには、NATO拡大問題に見られるような、NATO、WEU、OSCEなど欧州における安全保障の枠組みの再構築・活用の動きがある。
防衛白書1997